概要
AWS Machine Learning Blogにて、Amazon Bedrockの新機能「Managed Knowledge Base(マネージド・ナレッジベース)」が一般提供(GA)となったことが発表されました。企業データを使ってAIエージェントや生成AIアプリを回答の根拠づけ(グラウンディング)する検索基盤を、フルマネージドで構築できるサービスです。
何が発表・更新されたのか
これまで、企業データを使った検索基盤(ナレッジベース)を作るには、データ接続用の仕組み(コネクタ)、文書解析、ベクトルデータベース、ナレッジグラフ、検索ロジックなどを個別に組み合わせて運用する必要がありました。
Managed Knowledge Baseは、これらをまとめてAWSが管理する形で提供します。主なポイントは次の3つです。
- 簡単なセットアップ:Amazon S3、Microsoft SharePoint、Atlassian Confluence、Google Drive、Microsoft OneDrive、Webクローラーの6つのネイティブ接続に対応。文書へのアクセス権限(ACL)もリアルタイムでチェックされます。
- 多様なデータ形式への対応:PDFやPPTX、DOCXなどの文書(最大500MB)、音声ファイル(最大2GB)、動画ファイル(最大10GB)まで、形式に応じた解析を自動で選択します。
- 本番運用への対応:ベクトルストアの容量やインデックス設定を自動でプロビジョニング・スケーリングし、キーワード検索と意味検索を組み合わせたハイブリッド検索が常時有効になります。データはAWS KMSにより保管時・転送時ともに暗号化されます。
セットアップはコンソールから数分で開始でき、モデル選択なしでも利用可能です。カスタマイズしたい場合は、埋め込みモデルやリランカー、チャンク分割方法などを個別に設定することもできます。
なぜ重要なのか
これまで数日〜数週間かかっていた検索基盤の構築作業を大幅に簡略化できる点が重要です。データ接続、解析、ベクトルストレージ、アクセス権限管理といった個別の作業をAWS側が代行するため、開発チームがインフラの詳細を意識せずに、AIエージェントや生成AIアプリの精度向上に注力できるようになります。
記事内では、Syngenta GroupやMRH Trowe、OpenAIといった企業が、社内向けナレッジ検索やAIコパイロット、大規模な推論のグラウンディングにこの機能を活用している事例が紹介されています。
誰に関係があるのか
- 社内向けのナレッジ検索やAIコパイロットを構築したい企業のIT・データ部門
- Amazon Bedrockを使ってAIエージェントやRAG(検索拡張生成)アプリを開発しているエンジニア
- SharePointやConfluence、Google Driveなどに散在する社内文書を、AIから横断的に検索できるようにしたい業務担当者
仕事や業務でどう使えるのか
- 社内マニュアルや規程、顧客対応履歴などをまとめて検索できる社内AIチャットボットの構築
- 複数部門にまたがる文書(SharePoint・Confluenceなど)を横断した問い合わせ対応の効率化
- PDFや音声・動画を含む多様な資料を、そのままAIの回答根拠として活用する仕組みづくり
コード例では、boto3を使い「ナレッジベース作成」「データソース追加」「取り込み(インジェスト)開始」の3ステップだけで、S3上の文書を検索対象にできることが示されています。
注意点
公式情報上では、日本での提供状況や対象プラン、料金体系の詳細は確認できませんでした。利用を検討する場合は、AWSの公式ブログや管理コンソールで最新の提供リージョンや料金を確認することをおすすめします。また、アクセス権限(ACL)の連携方法や、既存の社内データ基盤との統合方法については、自社環境に応じた事前検証が必要です。
公式情報
関連キーワード
- Amazon Bedrock
- Managed Knowledge Base
- RAG(検索拡張生成)
- AIエージェント
- エンタープライズ検索





