概要
本記事は、AWSの技術ブログで公開された、Amazon Bedrock上でClaude Codeを使う際に「特定の1リージョンでのみ推論を処理する」ためのデータレジデンシー(データの保管・処理場所)対応方法を解説した記事です。米国本社のグローバル企業が、ロンドン(eu-west-2)内でのみ処理させたいという要件をきっかけに、AWSチームが検証した内容がまとめられています。
何が発表・更新されたのか
Amazon BedrockでClaudeモデルを呼び出す方法には、従来型の「classic Amazon Bedrock(Invoke API)」と、より新しい「Mantleエンドポイント」の2種類があることが説明されています。
- Mantleは7つのリージョン(アイルランド、ストックホルム、東京、メルボルン、米国東部2地域、米国西部)で単一リージョン内処理をネイティブに対応し、Claude Sonnet 5など新しいモデルも利用できます。
- ただしロンドン(eu-west-2)はMantle側で「Global」または「EU」エンドポイントしか提供されておらず、EUエンドポイントを使うとロンドンからの要求がフランクフルトやパリなど他国で処理される可能性があるため、単一リージョン限定の要件には使えません。
- そのためロンドン限定の要件には、classic Amazon BedrockのInvoke APIに「application inference profile」を組み合わせ、さらにIAM(AWSのアクセス権限管理機能)のリージョン条件を付与する方法が採用されました。
- Claude Code v2.1.94以降が必要で、IAMポリシーの設定例やAWS CloudTrail(操作履歴を記録する機能)での検証方法も示されています。
なぜ重要なのか
「EU内であればどこでもよい」という緩やかな要件と、「ロンドンのみ」という厳格な要件では、対応方法がまったく異なる点が明確になったことが重要です。多くのBedrockの利用では複数リージョンをまたぐ「クロスリージョン推論」がスループットやモデルの利用可否の面で推奨される標準的な方法ですが、コンプライアンス上「特定の1リージョン」が求められる場合には、今回紹介されたような単一リージョン限定の設定が必要になります。
誰に関係があるのか
- 金融・医療・公共機関など、データの処理場所に関する厳格な規制がある業界のIT・コンプライアンス担当者
- Claude CodeやAmazon Bedrockを社内エンジニアに導入する検討をしている企業のシステム管理者
- AWS上でAIエージェントやコーディング支援ツールを運用するエンジニア
仕事や業務でどう使えるのか
自社の要件が「EUや米国内であればよい」程度であれば、クロスリージョン推論をそのまま使うのが簡単です。一方、「特定の1つのAWSリージョンでのみ処理してほしい」という契約上・規制上の要件がある場合は、利用したいリージョンがMantle対応の7リージョンに含まれるかを確認し、対応していればMantle、対応していない(ロンドンなど)場合はclassic Bedrock+application inference profile+IAMのリージョン条件という組み合わせを検討する材料になります。
注意点
本記事はAWSの技術ブログにおける実装例の紹介であり、対応可否は利用するAWSリージョンやAnthropicのモデルの提供状況によって異なります。日本(東京リージョン)はMantle対応リージョンの一覧に含まれていますが、料金や具体的な契約プランなど、公式情報上で確認できない項目については断定できません。導入を検討する場合は、必ず公式ブログおよびAWS公式ドキュメントで最新のリージョン対応状況とモデルIDを確認してください。
公式情報
AWS Machine Learning Blog: Enforcing data residency with single-Region Claude Code on Amazon Bedrock
関連キーワード
- Amazon Bedrock
- Claude Code
- データレジデンシー
- IAM(AWS Identity and Access Management)
- クロスリージョン推論





