NoSQLについて学んでいくと、「ドキュメントDB」という言葉に出会うことがあります。文書のようなまとまりでデータを扱うデータベースの一種ですが、表形式のデータベースに慣れていると、その違いがイメージしづらいと感じる方もいるかもしれません。この記事では、ドキュメントDBの意味や特徴、使われる場面や関連する用語までを、初心者の方にもわかりやすいように整理して解説していきます。
ドキュメントDBとは?
ドキュメントDBとは、データを「ドキュメント」と呼ばれるまとまりの単位で保存するデータベースのことです。ドキュメントは、項目と値の組み合わせをまとめた、JSONのような形式で表されることが多いです。表のように決まった列にきっちり当てはめるのではなく、一件ごとに必要な項目をまとめて柔軟に保存できるのが特徴です。NoSQLと呼ばれるデータベースの一種で、形のそろわないデータや、入れ子になった情報を扱いやすい仕組みだと考えると分かりやすいでしょう。
ドキュメントDBが重要な理由
扱うデータの中には、項目の数や種類が一件ごとに少しずつ違うものや、一つのデータの中にさらに細かい情報が入れ子になっているものがあります。こうしたデータを表の形にきっちり当てはめようとすると、扱いにくくなることがあります。ドキュメントDBは、一件分のデータをまとまりとして柔軟に保存できるため、こうした多様なデータを扱いやすくしてくれます。データの形が変わりやすい場面で力を発揮する選択肢として、知っておくと役立つ存在だと言えるでしょう。
ドキュメントDBが使われる場面
ドキュメントDBは、柔軟なデータの扱いが求められるさまざまな場面で活用されています。代表的な例としては、次のようなものが挙げられます。
- 項目の種類が一件ごとに異なる多様なデータを扱う場面
- 一つのデータの中に細かい情報が入れ子になっているデータを扱う場面
- データの形を後から柔軟に変えていきたい場面
- Webサービスやアプリで、まとまった情報を素早く保存・取得したい場面
ドキュメントDBの仕組み
ドキュメントDBがデータを扱う流れは、おおまかに次のように整理できます。
- 保存したい情報を、項目と値の組み合わせでまとまりにします
- そのまとまりを一つのドキュメントとして保存します
- ドキュメントは、必要に応じて入れ子の構造も含めて柔軟に表せます
- 保存したドキュメントを、条件を指定して取り出したり更新したりします
ドキュメントDBと似た用語との違い
ドキュメントDBとよく比べられるものに、表の形でデータを扱うリレーショナルデータベース、いわゆるRDBがあります。RDBが決まった列に沿ってデータを整理するのに対し、ドキュメントDBは一件ごとに必要な項目をまとめて柔軟に保存できる点が異なります。また、ドキュメントDBはNoSQLの一種であり、項目と値だけを扱うキーバリューストアや、つながりを扱うグラフDBなど、ほかのNoSQLとも得意なことが異なります。それぞれの特徴を理解しておくと整理しやすくなるでしょう。
ドキュメントDBを理解するメリット
ドキュメントDBについて理解しておくと、表の形以外にもデータをまとまりとして柔軟に扱う方法があることをイメージしやすくなります。これは、システムの開発に携わる人だけでなく、データの扱い方に関心がある人にとっても役立つ知識だと言えるでしょう。データの形が一定でない場面で、どんな選択肢があるのかを知っていれば、適した方法を考えやすくなります。データの多様な扱い方への理解を深める手がかりになる知識だと捉えると分かりやすいでしょう。
ドキュメントDBの注意点
ドキュメントDBは柔軟さが魅力ですが、注意したい点もあります。柔軟にデータを保存できるぶん、項目の付け方や構造が一件ごとにばらばらになりすぎると、かえって扱いにくくなることがあります。また、複数のまとまりにまたがる複雑な集計などは、表形式のデータベースのほうが得意な場合もあります。すべての場面に向くわけではないため、目的に応じた使い分けが大切です。具体的な製品の機能や仕様は変わることがあるため、利用の際は公式情報を確認すると安心でしょう。
ドキュメントDBに関連する用語
ドキュメントDBをより深く理解するために、あわせて知っておくと役立つ関連用語を紹介します。
- NoSQL:表形式とは異なる考え方で扱うデータベースの総称
- JSON:項目と値の組み合わせを表すデータの記述形式
- RDB:表の形でデータを管理する代表的なデータベースの種類
- キーバリューストア:項目と値の組み合わせで扱うNoSQLの一種
- スキーマレス:あらかじめ厳密な構造を決めずに扱える性質
まとめ
ドキュメントDBは、データをドキュメントと呼ばれるまとまりの単位で保存するデータベースで、NoSQLの一種です。項目と値の組み合わせをまとめたJSONのような形式で、一件ごとに柔軟にデータを保存できるのが特徴です。形のそろわないデータや入れ子の情報を扱いやすい一方、向き不向きもあります。ドキュメントDBを知っておくと、データの扱い方の選択肢を広げる手がかりになるので、少しずつ理解を深めていくとよいでしょう。
よくある質問
ドキュメントDBとRDBはどう違いますか?
RDBは決まった列に沿って表の形でデータを整理しますが、ドキュメントDBは一件ごとに必要な項目をまとめて柔軟に保存できます。形のそろわないデータや入れ子の情報を扱いやすいのがドキュメントDBの特徴だと考えると、違いを整理しやすいでしょう。
ドキュメントDBはNoSQLの一種ですか?
はい、ドキュメントDBは表形式とは異なる考え方で扱うNoSQLの一種です。NoSQLにはほかにも種類があり、それぞれ得意なことが異なります。ドキュメントDBはまとまった情報を柔軟に扱うのが得意な種類だと捉えると分かりやすいでしょう。
ドキュメントDBはどんなデータに向いていますか?
項目の種類が一件ごとに異なるデータや、一つのデータの中に細かい情報が入れ子になっているデータなどに向いているとされます。一方で複雑な集計などは別の方法が得意な場合もあるため、目的に応じて選ぶとよいでしょう。

