概要
AWS(アマゾン ウェブ サービス)の公式ブログで、Googleの「Gemma 4」モデルがAmazon Bedrock上で利用可能になったと発表されました。
Gemma 4はGoogle DeepMindが開発し、Apache 2.0ライセンスで公開された「オープンウェイト」(モデルの重みが公開されている)モデル群です。Amazon Bedrockは、こうした基盤モデルをインフラ管理なしで使えるフルマネージドサービスです。
この記事では、公式情報をもとにGemma 4で何ができるのか、誰に関係があるのかをわかりやすく解説します。
何が発表・更新されたのか
Amazon Bedrock上でGemma 4ファミリーが利用可能になりました。公式情報によると、次の3種類の指示チューニング済みモデルが提供されます。
- Gemma 4 31B:最大の密(Dense)モデル。総パラメータ30.7B、コンテキスト長256Kトークン。推論やコーディング向け。
- Gemma 4 26B-A4B:MoE(混合エキスパート、必要な部分だけ動かす方式)。総25.2B/有効3.8B、256Kトークン。高スループットでコスト重視向け。
- Gemma 4 E2B:最小・最速。総5.1B/実効2.3B、128Kトークン。低遅延・低コスト向け。
いずれも以下の機能を備えています。
- 組み込みの推論モード(回答前に思考過程を出力できる)
- ネイティブな関数呼び出し(エージェント的な処理に対応)
- テキスト+画像のマルチモーダル入力
- 35以上の言語への標準対応(事前学習は140以上の言語)
第三者ベンチマークのArtificial Analysisでは、Gemma 4 31Bの「Intelligence Index」が39とされ、4B〜40Bのオープンウェイト級の中央値15を上回ると報告されています。
アクセスは、OpenAI互換APIである「bedrock-mantle」エンドポイント経由で行い、Chat Completions APIとResponses APIが利用できます。OpenAIのPython/TypeScript SDKを使っているチームは、ベースURLとモデルIDを変えるだけで切り替えられるとされています。
誰に関係があるのか
- すでにAmazon Bedrockやその他のAWSサービスを使っている企業・開発者
- オープンウェイトの基盤モデルを、データ保護や運用管理を維持しながら本番利用したい組織
- マルチモーダルなエージェント、文書理解パイプライン、ソフトウェア開発ワークフローなどを構築したい担当者
- OpenAIのSDKを使っており、移行コストを抑えてモデルを試したいチーム
公式情報では、プロンプトと出力(completions)はモデルの学習には使われず、コンテンツが第三者と共有されることはないと明記されています。
仕事や業務でどう使えるのか
公式情報で挙げられている主な用途は次のとおりです。
- マルチモーダルなAIエージェントの構築
- 軽量なアプリケーションの構築
- 文書理解(ドキュメント処理)パイプライン
- ソフトウェア開発ワークフロー
3つのモデルは共通のインターフェース(システムプロンプト、ツール呼び出し、画像入力、リクエストごとに切り替えられる思考モード)を持つため、一度APIに合わせてアプリを作れば、コストや遅延に応じてモデルを切り替えやすい設計です。
用途別の目安として、推論・コーディング重視なら31B、高スループットでコスト重視なら26B-A4B、低遅延・マルチモーダル分類ならE2B(この場合はreasoning_effort=highの設定が推奨)が紹介されています。
注意点
- 推論モードを使う場合、複数ターンの会話では過去の思考過程(reasoning項目)は送り返さず、最終回答のみを送ることが推奨されています。過去の思考過程を再投入すると応答品質が低下する可能性があるためです。思考過程は自分側のログや監査用に残すことは可能です。
- Gemma 4を利用するには、bedrock-mantleエンドポイントで推論を実行できる権限を持つAWSアカウントが必要です。AWS管理ポリシー「AmazonBedrockMantleInferenceAccess」をIAMプリンシパルに付与する方法が紹介されています。
- 日本での提供状況や対象リージョン、料金については、公式情報上では本文中に明確な記載が確認できませんでした。利用可能なモデルや詳細はAmazon Bedrockのモデルカタログを確認してください。
公式情報
詳細は以下の公式ブログをご確認ください。

