概要
GitHub Copilotのチェンジログにて、企業(Enterprise)向けの管理設定を、チーム単位でカスタマイズできる新機能が発表されました。管理者は「managed-settings.json」というファイルで設定項目ごとに、チームごとの上書きを許可するかどうかを指定できるようになります。これにより、すべての設定変更を中央の管理者に集約せず、各チームの業務に合わせた柔軟な運用が可能になります。
何が発表・更新されたのか
Enterprise管理者は、managed-settings.jsonファイル内の各設定キーに対して、{ "overridable": true }のような形式を使い、「チームごとに上書き可能かどうか」を指定できます。
- 上書き可能(overridable)に設定したキーは、チーム側で値を設定すればその値が使われ、未設定なら企業のデフォルトにフォールバックします。
- 上書き不可のキーは、企業レベルの決定として維持され、チームが変更することはできません。
例として、”disableBypassPermissionsMode”や”model”といった項目をチーム単位でoverridable指定すれば、特定のチーム(例:AI Pioneersチーム)だけが独自のデフォルトモデルや権限バイパス設定を選べるようになります。他のチームは企業デフォルトを引き継ぎます。
また、プラグインやマーケットプレイスの設定(enabledPlugins、extraKnownMarketplaces)は「加算式」になっており、企業のベースラインを保ったまま、チームごとに必要な拡張を追加できる仕組みです。
チームごとの設定ファイルは「copilot/teams/」以下に配置し、「team-mappings.json」で各設定ファイルとチームのスラッグ(識別名)を対応付けます。1つの設定ファイルを複数チームに適用することも可能です。
ユーザーが複数チームに所属している場合は、各キーについて最も制限の緩い値を組み合わせたうえで、企業側の設定を適用する仕組みになっています。
なぜ重要なのか
これまで企業全体で一律の設定を運用する場合、チームごとの実情に合わせた細かい調整が難しく、変更のたびに中央管理者を経由する必要がありました。今回の更新により、コンプライアンス上重要な設定は企業側で固定しつつ、それ以外の部分はチームの裁量に委ねるという「ガバナンスの分散」が可能になります。大規模な組織ほど、この柔軟性による運用負荷の軽減が期待されます。
誰に関係があるのか
GitHub Copilot Business または Copilot Enterprise ライセンスを利用している企業のIT管理者・情報システム部門の担当者が主な対象です。特に、複数の部署・職種でCopilotを使い分けたい中〜大規模組織の管理者に関係があります。
仕事や業務でどう使えるのか
- 研修を完了したチームにだけ特定の設定(例:ai-users.json)を適用する
- 開発者チーム向けに devs.json のような専用設定を用意する
- コンプライアンス上必須の項目は企業側で固定し、それ以外はチームごとにモデル選択や権限設定を調整する
このような運用により、一律のポリシーでは対応しづらかった職種・チームごとのニーズに応じた設定管理が可能になります。
注意点
- 公式情報によると、この設定は現時点でVS Code、Copilot CLI、Copilot App、Copilot cloud agentに対応しており、Copilot SDKを通じて他のクライアントへの対応拡大が進められている段階です。
- 利用には、企業またはその配下の組織から発行されたCopilot BusinessまたはCopilot Enterpriseライセンスが必要です。
- 上書き不可に指定したキーは常に企業側の設定が優先されるため、既存の一律ポリシーとの整合性を事前に確認する必要があります。
- 公式情報上では、日本語UIでの対応状況や国内での提供スケジュールの詳細は確認できませんでした。
公式情報
Enterprise team specialization for managed settings(GitHub Changelog)
関連キーワード
- GitHub Copilot
- Copilot Enterprise
- managed-settings.json
- AIガバナンス
- チーム単位の権限管理





