概要
Liquid AIは2026年8月4日、Hugging Face上で新しい小型AIモデル「LFM2.5-2.6B」を公開しました。パラメータ数26億(2.6B)というコンパクトさながら、ノートPCやスマートフォンといった身近な端末上で「エージェント(自律的にタスクをこなすAI)」を動かせるように設計されています。ツール呼び出しや複数ステップの作業を、クラウドを使わずデバイス上だけで完結できる点が特徴です。
何が発表・更新されたのか
公式ブログによると、LFM2.5-2.6BはLiquid AI独自の「LFM2」アーキテクチャを採用し、約34兆トークンで事前学習された後、コンテキスト長を128Kまで拡張する中間学習を経て、以下の4段階の後処理(ポストトレーニング)でエージェント向けに調整されています。
- 教師あり微調整(SFT):ツール利用やWeb検索など、エージェント的なデータを重点的に2回実施
- 教師モデルの専門化:数学・コード・ツール利用など分野ごとに専門教師モデルを作成
- マルチドメイン・オンポリシー蒸留(MOPD):専門教師モデルの知識を1つの生徒モデルに集約
- エージェント強化学習(Agentic RL):実際のエージェント実行環境(ハーネス)内でマルチターンの強化学習を実施
推論速度については、Apple M5 Maxで220トークン/秒、AMD Ryzen AI Max+ 395で113トークン/秒を記録し、メモリ使用量は2.5GB未満とされています。また、llama.cpp・MLX・vLLM・SGLang・ONNXなど主要な推論エンジンに公開初日から対応しています。
ベンチマークでは、自社より最大4倍大きいGemma-4シリーズやQwen3.5シリーズと比較し、指示追従(Instruction Following)やツール利用のタスクで上回る、または同等の結果を示したと報告されています。一方、コーディングタスクについては、より大きなモデルに軍配が上がるとも明記されています。
なぜ重要なのか
これまで高性能なAIエージェントはクラウド上の大規模モデルに依存することが一般的でした。LFM2.5-2.6Bのような小型モデルが同等クラスの性能を発揮できれば、データをデバイス外に出さずに処理できるためプライバシー面で有利になり、クラウドの推論コストを抑えられる可能性があります。公式情報でも「クラウド推論費用をかけずにエージェントをどこにでも展開できる」という利点が強調されています。
誰に関係があるのか
- 自社サービスにAIエージェント機能を組み込みたい開発者・エンジニア
- 個人情報や社内データを外部クラウドに送りたくない企業のIT担当者
- スマホアプリやローカルアプリでAI機能を提供したいプロダクト担当者
- 生成AIのコスト最適化を検討している中小企業の実務担当者
仕事や業務でどう使えるのか
公式ブログでは、Hugging Face上の「transformers」ライブラリ(バージョン5.0.0以上が必要)を使い、数行のPythonコードでモデルを読み込んで実行する方法が紹介されています。またブラウザ上でセットアップ不要に試せるWebGPUデモや、OpenClawやHermes AgentなどのエージェントハーネスにLFM2.5-2.6Bを組み込むためのガイドも用意されています。社内文書の要約・調査エージェントや、ローカル環境で動く業務支援ツールのプロトタイプ検証などに活用できる可能性があります。
注意点
公式情報上では、日本での提供状況や料金体系、商用利用時の対象プランなどの詳細は確認できませんでした。利用を検討する場合は、Hugging Faceのモデルページやライセンス条項を必ずご自身で確認してください。また、ベンチマーク上ではコーディングタスクにおいて大型モデルの方が優れているとされているため、用途に応じたモデル選定が必要です。
公式情報
Deploy local agents everywhere with LFM2.5-2.6B(Hugging Face Blog)
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