トラブルが起きたとき、目に見える症状だけに対処しても、本当の原因が残っていれば同じ問題がまた起きてしまいます。そこで、問題の根っこにある原因を探る取り組みが行われます。これがRCAです。この記事では、RCAの意味や役割を初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
RCAとは?
RCAとは、Root Cause Analysisの略で、日本語では「根本原因分析」と訳されます。トラブルや障害が起きたときに、その表面的な症状ではなく、本当の原因(根本原因)を突き止めようとする取り組みのことです。
たとえば、床が濡れていたとき、ただ拭くだけでなく「なぜ濡れたのか」をたどっていくと、配管の劣化など本当の原因にたどり着くことがあります。RCAは、こうした「なぜ」を掘り下げていく考え方です。
RCAでは、起きた問題に対して「なぜそうなったのか」を繰り返し問いかけ、原因の奥にある原因をたどっていきます。根っこを見つけて対処することで、再発を防ごうとします。
RCAが重要な理由
表面的な対処だけでは、同じトラブルが何度も繰り返されることがあります。RCAで根本の原因を突き止めれば、その大もとに手を打てるため、再発を防ぎやすくなります。
また、根本原因を探る過程で、これまで気づかなかった仕組みの弱点が見えてくることもあります。問題を深く理解し、改善につなげるための大切な取り組みだと考えられます。
RCAが使われる場面
RCAは、次のような場面で活用されることが多いと考えられます。
- 同じトラブルが繰り返し起きているとき
- 障害のあと、本当の原因を突き止めたいとき
- 表面的な対処では解決しないと感じたとき
- 再発を防ぐための対策を考えたいとき
RCAの仕組み
RCAは、おおまかに次のような流れで進められます。手順を順番に見ていきましょう。
- 起きた問題やその症状を、はっきりと整理します
- 「なぜそうなったのか」を繰り返し問いかけていきます
- 原因の奥にある、より根本的な原因をたどります
- 根本原因に対する対策を考え、実行します
「なぜ」を繰り返し問いかける進め方は、よく知られた考え方の一つです。一つの原因で止めず、その先まで掘り下げることが大切だとされています。
RCAと似た用語との違い
RCAは、似た言葉と混同されることがあります。違いを整理しておきましょう。
症状にその場で対処する「対症療法」が表面的な解決を指すのに対し、RCAは根っこにある原因の解決を目指します。一時的な対応か、根本的な対応か、という違いがあります。
「ポストモーテム」が障害のあとの振り返り全体を指すのに対し、RCAはその中で原因を深く掘り下げる部分にあたる、と考えると分かりやすいでしょう。
ここまでRCAの役割や進め方を見てきました。続いて、この考え方を理解しておくとどんな良いことがあるのかを整理しておきましょう。
RCAを理解するメリット
RCAを理解しておくと、問題を表面だけで片付けず、根っこから解決しようとする姿勢が身につきます。これは、トラブルを繰り返さないために役立つ視点です。
また、「なぜ」を掘り下げて考える習慣は、ソフトウェア開発に限らず、日常のさまざまな問題解決にも応用できるでしょう。
RCAに取り組むうえでは、いくつか気をつけておきたい点もあります。ここで確認しておきましょう。
RCAの注意点
RCAでは、原因を一つに決めつけてしまうと、本当の根本原因を見逃すことがあります。さまざまな可能性を考えながら、丁寧に掘り下げることが望ましいとされています。
また、根本原因を探る過程が、特定の人を責める方向に進んでしまうと、本音が出にくくなります。人ではなく仕組みに目を向けることが大切だと考えられます。
RCAの理解をさらに深めるために、関係の深い言葉もあわせて知っておくと役立ちます。あわせて覚えておきましょう。
RCAに関連する用語
RCAをより深く理解するために、関連する用語もあわせて知っておくと役立ちます。
- ポストモーテム:障害のあとに行う振り返り
- 根本原因:問題の大もとにある原因
- 再発防止:同じ問題を繰り返さないための取り組み
- 障害:システムが正常に動かない状態
まとめ
RCAは、トラブルの表面的な症状ではなく、根っこにある本当の原因を突き止めようとする取り組みです。根本から対処することで、同じ問題の繰り返しを防ぎやすくなります。
これからITについて学んでいくうえで、RCAは問題を深く解決するための考え方と言えるでしょう。まずは「なぜを掘り下げて根本を探る」という姿勢を押さえておくとよいでしょう。
よくある質問
RCAとは何の略ですか?
Root Cause Analysisの略で、日本語では根本原因分析と訳されます。トラブルの表面的な症状ではなく、その大もとにある本当の原因を突き止めようとする取り組みを指すと考えると分かりやすいでしょう。
RCAはどうやって原因を探りますか?
「なぜそうなったのか」を繰り返し問いかけ、原因の奥にある原因をたどっていく進め方がよく知られています。一つの原因で止めず、その先まで掘り下げることが大切だとされています。
RCAは誰かを責めるためのものですか?
責めるためのものではありません。人ではなく仕組みや流れに目を向け、再発を防ぐことが目的です。犯人探しになると本音が出にくくなるため、原因の解決に集中することが望ましいと考えられます。

