サービスの状態を数値で測れるようになったら、次は「どのくらいを目指すか」という目標を決めることが大切になります。この目標を表すのがSLOです。この記事では、SLOの意味や役割を初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
SLOとは?
SLOとは、Service Level Objectiveの略で、日本語では「サービスレベル目標」と訳されます。サービスの状態を表す数値について、「どのくらいを目標とするか」を定めたもののことです。
たとえば、「リクエストの99%以上に正常に応答する」といった形で、目指す水準を決めます。サービスの品質について、チームで共有できる目標を持つためのものだと考えると分かりやすいでしょう。
SLOは、サービスの状態を測る指標(SLI)と組み合わせて使われます。SLIで測った数値が、SLOで決めた目標を満たしているかを見ていく、という形です。
SLOが重要な理由
目標がないと、サービスの状態が「良い」のか「悪い」のかを判断する基準があいまいになってしまいます。SLOを決めておくことで、目指すべき水準がはっきりし、状態の良し悪しを判断しやすくなります。
また、SLOはチームで共有する目標になります。どのくらいの品質を保てばよいかが明確になるため、過剰に手をかけすぎたり、逆に不足したりするのを防ぐのに役立つと考えられます。
SLOが使われる場面
SLOは、次のような場面で活用されることが多いと考えられます。
- サービスが目指すべき品質の水準を決めるとき
- 状態が目標を満たしているか判断したいとき
- チームで品質の目標を共有したいとき
- どこまで手をかけるかの判断材料にしたいとき
SLOの仕組み
SLOは、おおまかに次のような流れで決められます。手順を順番に見ていきましょう。
- サービスの状態を表す指標(SLI)を選びます
- 利用者にとって満足できる水準を考えます
- それをもとに、目指す目標値(SLO)を決めます
- 実際の数値が目標を満たしているかを継続して確認します
SLOは高く設定すればよいというものではありません。利用者の満足と、かかる手間のバランスを考えて、現実的な水準を決めることが大切だとされています。
SLOと似た用語との違い
SLOは、よく似た言葉と混同されることがあります。違いを整理しておきましょう。
SLIが「サービスの状態を表す数値そのもの」を指すのに対し、SLOはその数値について「どのくらいを目標とするか」を定めたものです。指標と目標、という関係にあります。
SLAが利用者との約束ごとを指すのに対し、SLOはあくまで内部で定める目標であり、約束より少し高めに設定されることが多い、という違いがあります。
ここまでSLOの意味や決め方を見てきました。続いて、この考え方を理解しておくとどんな良いことがあるのかを整理しておきましょう。
SLOを理解するメリット
SLOを理解しておくと、サービスの品質を「目標」という形で具体的に持つことの大切さが分かるようになります。これは、品質を管理し、改善していくうえで役立つ視点です。
また、目標を決めることで、どこまで手をかけるべきかの判断がしやすくなる、という考え方も身につきやすくなるでしょう。
便利なSLOですが、設定する際にはいくつか気をつけたい点もあります。バランスを意識するために確認しておきましょう。
SLOの注意点
SLOは、高く設定しすぎると、その達成のために多くの手間やコストがかかってしまうことがあります。利用者の満足とのバランスを考えて、現実的な水準を決めることが望ましいとされています。
また、SLOは一度決めたら終わりではなく、サービスの状況や利用者の期待に合わせて見直していくことが大切だと考えられます。
SLOに関連する用語
SLOをより深く理解するために、関連する用語もあわせて知っておくと役立ちます。
- SLI:サービスの状態を表す数値
- SLA:利用者との間で交わすサービスの約束
- エラーバジェット:許容できる失敗の余裕
- 可用性:サービスが使える状態を保てる度合い
まとめ
SLOは、サービスの状態を表す数値について、どのくらいを目標とするかを具体的に定めたものです。目指すべき水準をはっきりさせ、チームで共有しながら品質を管理するのに役立ちます。
これからサービスの運用について学んでいくうえで、SLOはSLIと組み合わせて使う大切な考え方と言えるでしょう。まずは「目指す目標を決める」という役割を押さえておくとよいでしょう。
よくある質問
SLOとは何の略ですか?
Service Level Objectiveの略で、日本語ではサービスレベル目標と訳されます。サービスの状態を表す数値について、どのくらいを目標とするかを定めたものを指すと考えると分かりやすいでしょう。
SLOは高く設定すればよいのですか?
高ければよいとは限りません。高く設定するほど、その達成のために多くの手間やコストがかかることがあります。利用者の満足とのバランスを考え、現実的な水準を決めることが望ましいと考えられます。
SLOとSLAはどう違いますか?
SLOは内部で定める目標を指し、SLAは利用者との間で交わす約束を指します。SLOはSLAより少し高めに設定されることが多く、約束を守るための余裕を持たせる狙いがあると考えると分かりやすいでしょう。

