オブジェクト指向プログラミングについて学んでいくと、「SOLID原則」という言葉に出会うことがあります。よりよい設計のための考え方をまとめたものですが、五つの原則から成り立っているため、最初は覚えにくいと感じる方もいるかもしれません。この記事では、SOLID原則の意味や全体像、関連する用語までを、初心者の方にもわかりやすいように整理して解説していきます。
SOLID原則とは?
SOLID原則とは、オブジェクト指向プログラミングで、修正や拡張がしやすいよりよい設計をするために参考にされる、五つの考え方をまとめたものです。五つの原則それぞれの頭文字をとってSOLIDと呼ばれます。大まかには、一つひとつの部品の役割を絞ること、変更に強く拡張しやすくすること、部品同士のつながり方を工夫することなど、プログラムを長く扱いやすく保つための指針が含まれます。よい設計を考えるときの道しるべのような考え方の集まりだと捉えると分かりやすいでしょう。
SOLID原則が重要な理由
プログラムは一度作って終わりではなく、後から修正したり機能を追加したりすることが多くあります。そのとき、設計が整っていないと、一か所の変更があちこちに影響してしまい、修正が大変になることがあります。SOLID原則を意識して設計しておくと、変更の影響を抑えやすく、拡張もしやすいプログラムにつながります。長く扱い続けるプログラムを健全に保つための指針として役立つため、よい設計を学ぶうえで知っておくと役立つ考え方だと言えるでしょう。
SOLID原則が使われる場面
SOLID原則は、よりよい設計を考えるさまざまな場面で参考にされます。代表的な例としては、次のようなものが挙げられます。
- 修正や拡張がしやすいプログラムを設計したい場面
- 一つの部品が多くの役割を抱えすぎていないか見直す場面
- 変更の影響を一部にとどめたい場面
- チームで長く保守していくプログラムを設計する場面
SOLID原則の仕組み
SOLID原則に含まれる考え方の方向性は、おおまかに次のように整理できます。
- 一つの部品には、なるべく一つの役割を持たせるようにする
- 機能を追加するときに、既存の部分をなるべく変えずに済むようにする
- 部品を置き換えても、無理なく動くように整える
- 必要なものだけを使えるよう、役割を細かく分ける
- 部品同士が直接強く結びつきすぎないように工夫する
SOLID原則と似た用語との違い
SOLID原則とよく一緒に語られる考え方に、ほかの設計原則があります。たとえば、繰り返しを避けるといった一般的な設計の心得とも関わりますが、SOLID原則は特にオブジェクト指向の設計に向けて整理されたものだと考えると整理しやすいでしょう。また、OOPがプログラムの組み立て方の考え方そのものを指すのに対し、SOLID原則はそのOOPでよい設計をするための指針にあたります。考え方の土台と、その上での設計の指針、という関係で捉えると分かりやすいでしょう。
SOLID原則を理解するメリット
SOLID原則の考え方を理解しておくと、よい設計とはどういうものかをイメージしやすくなります。これは、プログラミングに携わる人にとって特に役立つ知識ですが、ものごとを整理して長く扱いやすく保つという考え方は、ほかの場面にも通じます。変更に強く、役割が整理された構造を意識できれば、複雑なものを健全に保ちやすくなります。よい設計を見極める力の基礎になる考え方として、少しずつ身につけていくと役立つと捉えると分かりやすいでしょう。
SOLID原則の注意点
SOLID原則を扱う際には、いくつか注意したい点があります。原則はあくまで指針であり、すべての場面で機械的に当てはめればよいというものではありません。原則に従おうとするあまり、かえって構造が複雑になってしまうこともあります。目的や状況に応じて、適切な範囲で取り入れることが大切です。また、五つの原則は最初から完璧に理解する必要はなく、少しずつ実際の設計を通して身につけていくとよいでしょう。あくまで判断の助けとして活用することが望ましいでしょう。
SOLID原則に関連する用語
SOLID原則をより深く理解するために、あわせて知っておくと役立つ関連用語を紹介します。
- OOP:オブジェクト指向プログラミングの考え方
- 設計原則:よい設計のための一般的な心得
- 疎結合:部品同士のつながりがゆるやかな状態
- 関心の分離:役割ごとに分けて整理する考え方
- 保守性:修正や管理のしやすさ
まとめ
SOLID原則は、オブジェクト指向プログラミングで、修正や拡張がしやすいよりよい設計をするために参考にされる、五つの考え方をまとめたものです。一つの部品の役割を絞ることや、変更に強くすること、つながり方を工夫することなど、プログラムを長く扱いやすく保つための指針が含まれます。あくまで指針であり、状況に応じて取り入れることが大切です。SOLID原則を理解しておくと、よい設計を見極める力につながるので、少しずつ理解を深めていくとよいでしょう。
よくある質問
SOLID原則とは何の集まりですか?
オブジェクト指向プログラミングで、修正や拡張がしやすいよい設計をするために参考にされる、五つの考え方をまとめたものです。それぞれの原則の頭文字をとってSOLIDと呼ばれていると考えると分かりやすいでしょう。
SOLID原則は必ず守らないといけませんか?
必ずしも機械的に守る必要はありません。あくまでよい設計のための指針であり、状況によっては当てはめすぎるとかえって複雑になることもあります。目的に応じて、適切な範囲で取り入れることが大切だと考えると分かりやすいでしょう。
SOLID原則は初心者でも理解できますか?
五つの原則があり最初は覚えにくく感じるかもしれませんが、一度にすべてを理解する必要はありません。実際の設計を通して、少しずつ身につけていけます。よい設計の道しるべとして、徐々に慣れていくとよいでしょう。

