概要
AWSの公式ブログ「AWS Machine Learning Blog」にて、Strands AgentsとAmazon Bedrock AgentCoreを使った複数AIエージェント(マルチエージェント)による営業リード発掘の事例が紹介されました。広告インフラを手がけるThrad.aiが、Hacker NewsやReddit、GitHubなど複数のソーシャルデータを横断して「購入意欲の高い見込み客」を自動で見つけ出す仕組みを構築した事例です。
何が発表・更新されたのか
今回の記事では、Strands AgentsとAmazon Bedrock AgentCoreを組み合わせて、4つの役割を持つAIエージェントが連携するパイプラインが紹介されています。具体的には「トレンド調査」「見込み客情報の補強」「スコアリング(点数付け)」「メール文面の自動生成」という4つの工程を、それぞれ専門のエージェントが担当します。
各エージェントはHacker News、Reddit、Stack Overflow、GitHubなど複数の外部API(ソーシャルサービスのデータ取得口)から情報を集め、Amazon Bedrock上のClaude Sonnet 4.6モデルで見込み客ごとにスコア(0〜100点)を算出します。スコアは「話題との関連性」「タイミング」「関心の強さ」「購入意欲のシグナル」「データの質」という5つの基準で重み付けされ、直近24時間以内の情報ほど重視される仕組み(時間経過による重み減衰)も採用されています。
さらに、複数のエージェントがどう連携するかについて「Swarm(自律的な引き継ぎ方式)」と「Graph(あらかじめ決めた順序で処理する方式)」という2つの構成方法を比較し、レイテンシ(応答速度)・コスト・メール品質の観点でベンチマーク結果を示している点も特徴です。
なぜ重要なのか
これまで、複数のWebサービスに散らばった「見込み客の兆候」を人手で確認し、関連付ける作業には手間がかかっていました。記事によれば、Thrad.aiの営業チームは1件のリードにつき6つの情報源を調べ、1通の営業メールを書くまでに30〜45分かけていたとのことです。単一のAIモデルでは情報源の種類やAPIの多様さ、分析の複雑さに対応しきれないため、役割分担したマルチエージェント構成が有効だと説明されています。
誰に関係があるのか
- 営業・マーケティング部門で見込み客発掘(リードジェネレーション)を効率化したい担当者
- AWSやAmazon Bedrockを使ってAIエージェントの構築を検討している開発者・エンジニア
- 競合調査、採用候補者のソーシング、市場調査など、複数の情報源を横断した分析業務を行う担当者
仕事や業務でどう使えるのか
記事では、この仕組みは営業リード発掘だけでなく、競合情報の収集、採用候補者の探索、市場調査にも応用できるとされています。公開されているサンプルリポジトリ(GitHub)を使えば、AWS CDK(インフラ構築ツール)でエージェント環境を一括デプロイでき、概念の理解だけであればコードを動かさずに読み進めることも可能です。
注意点
- 本記事はAWSの技術ブログにおけるチュートリアル・事例紹介であり、実際に動作環境を構築する場合、Python 3.12以上、Node.js 18以上、Amazon Bedrock(Claude Sonnet 4.6モデルの有効化)などの環境準備が必要です。
- 公式情報によると、ハンズオンの構築には約60分、Amazon Bedrockのモデル呼び出し費用として約3〜5米ドルがかかるとされています。また、DynamoDBやLambdaなどのデプロイ済みリソースは稼働中に課金が発生するため、使用後は削除手順(クリーンアップ)が必要と案内されています。
- 公式情報上では、日本での提供状況や対象プランの詳細は確認できませんでした。料金や利用可否については、必ず公式情報でご確認ください。
公式情報
Multi-agent social intelligence with Strands Agents and Amazon Bedrock(AWS Machine Learning Blog)
関連キーワード
- Amazon Bedrock AgentCore
- Strands Agents
- マルチエージェント
- AIエージェント
- Claude Sonnet
- リードジェネレーション





