ソフトウェアをテストするとき、確認したい部分が、まだできていない別の部品とつながっていることがあります。その部品が完成するのを待っていては、テストがなかなか進みません。そこで、本物の代わりとなる簡単な部品を用意することがあります。これがスタブです。この記事では、スタブの意味や役割を初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
スタブとは?
スタブとは、ソフトウェアのテストを行う際に、まだできていない部品や、呼び出し先の部品の代わりとして用意する、簡単な代役のことです。あらかじめ決めた答えを返すように作られているのが特徴です。
たとえば、ある部品が「データを取ってくる別の部品」を呼び出すとします。その別の部品がまだなくても、スタブが代わりに「決まったデータ」を返してくれれば、呼び出す側のテストを進められます。
スタブは複雑な処理は行わず、テストに必要な答えをそのまま返すだけのシンプルなものであることが多いです。本物がなくてもテストを先に進めるための工夫だと考えると分かりやすいでしょう。
スタブが重要な理由
テストしたい部品が、まだできていない別の部品に頼っていると、それが完成するまでテストができません。スタブを使えば、本物の代わりを置くことで、待たずにテストを進められます。
また、スタブは決まった答えを返すため、テストの結果が安定します。本物の部品だと状況によって結果が変わることもありますが、スタブならいつも同じ条件で確認できると考えられます。
スタブが使われる場面
スタブは、次のような場面で活用されることが多いと考えられます。
- 呼び出し先の部品がまだ完成していないとき
- 決まった答えを使って、安定した条件でテストしたいとき
- 確認したい部品だけを切り出してテストしたいとき
- 複数人で開発を進める中で、待たずに作業したいとき
スタブの仕組み
スタブは、おおまかに次のような流れで使われます。手順を順番に見ていきましょう。
- 本物の代わりに用意したい部品を決めます
- その部品が返すべき決まった答えを設定します
- テストの中で、本物の代わりにスタブを使うようにします
- 呼び出す側の部品が正しく動くかを確認します
スタブは、テストフレームワークの機能を使って用意することもあれば、簡単なものを自分で書くこともあります。目的に合わせて柔軟に使われます。
スタブと似た用語との違い
スタブは、似た言葉と混同されることがあります。違いを整理しておきましょう。
「モック」は、どう呼び出されたかまで確認できる、より高度な代役を指すことがあるのに対し、スタブは決めた答えを返すだけの簡単な代役を指すことが多いです。区別はやや曖昧ですが、こうした使い分けがされます。
いずれも本物の代わりという点は共通しており、テストをしやすくするための仮の部品だと考えると分かりやすいでしょう。
ここまでスタブの役割や使い方を見てきました。続いて、この考え方を理解しておくとどんな良いことがあるのかを整理しておきましょう。
スタブを理解するメリット
スタブを理解しておくと、まだそろっていない部品があってもテストを進められる、という考え方が分かるようになります。これは、開発を効率よく進めるうえで役立つ視点です。
また、確認したい部分だけを切り出して、安定した条件でテストするという発想も身につきやすくなるでしょう。
スタブの注意点
スタブはあくまで決まった答えを返すだけなので、本物の部品の複雑な振る舞いまでは再現できません。スタブを使ったテストがうまくいっても、本物とつないだ確認は別途必要だと考えられます。
また、スタブが返す答えが、実際の部品の振る舞いと食い違っていると、テストの意味が薄れてしまいます。実態に合った答えを設定することが望ましいとされています。
スタブに関連する用語
スタブをより深く理解するために、関連する用語もあわせて知っておくと役立ちます。
- モック:呼び出され方まで確認できる代役の部品
- 単体テスト:部品を一つずつ確認するテスト
- テストフレームワーク:テストを書くための土台
- 結合テスト:部品同士の連携を確認するテスト
まとめ
スタブは、テストの際に、まだできていない部品などの代わりに用意する、決まった答えを返す簡単な代役です。本物を待たずにテストを進められ、安定した条件での確認を支えてくれます。
これからテストについて学んでいくうえで、スタブはモックと並んでよく登場する考え方と言えるでしょう。まずは「決まった答えを返す代役」というイメージを押さえておくとよいでしょう。
よくある質問
スタブとモックはどう違いますか?
明確に区別されないこともありますが、スタブは決めた答えを返すだけの簡単な代役、モックはどう呼び出されたかまで確認できる代役を指すことが多いです。どちらも本物の代わりという点は共通しています。
スタブを使えば本物のテストは不要ですか?
不要にはなりません。スタブは決まった答えを返すだけなので、本物の複雑な振る舞いまでは再現できません。最終的には本物とつないだ確認も行うのが望ましいと考えられます。
スタブはどんなときに役立ちますか?
呼び出し先の部品がまだ完成していないときや、安定した条件でテストしたいときに役立ちます。本物を待たずに、確認したい部分だけを切り出して進められる点が便利だと考えられます。

