概要
Vercel(バーセル)は、オブジェクトストレージサービス「Vercel Blob」のプライベートストレージにおいて、最新の書き込み内容を確実に読み取れる「一貫性のある読み取り(consistent reads)」機能を追加したと発表しました。get()関数やpresignUrl()関数にuseCache: falseを指定することで、最新の書き込みを反映した読み取りが可能になります。
何が発表・更新されたのか
Vercel Blobでは、新しいパス名(ファイルパス)にデータを書き込んだ場合、既存のキャッシュが存在しないため、書き込み直後の読み取りでも最新の内容が即座に反映されます。一方、既存のパス名にあるBlob(データ)を上書きした場合、通常の読み取りでは最大60秒間、古いキャッシュされたバージョンが返される可能性がありました。
今回のアップデートでは、AIエージェントのメモリファイルやセッションの記録、定期実行されるJSONレポートなど、常に最新の内容を読み取る必要がある場合に、useCache: falseを指定することで、CDN(コンテンツ配信network)のキャッシュを回避し、確実に最新の書き込みを反映した読み取りができるようになりました。
SDKを使わない場合は、プライベートBlobのURLにcache=0というクエリパラメータを付与し、認証トークンを添えてリクエストすることでも同様の効果が得られます。この機能を利用するには、@vercel/blobSDKのバージョン2.6.1以降が必要です。
なぜ重要なのか
これまでVercel Blobの読み取りはキャッシュを経由するため、上書き直後は古いデータが返される可能性があり、常に最新情報が必要な用途では注意が必要でした。今回の更新により、開発者は「速さ優先のキャッシュ読み取り」と「確実性優先の一貫性読み取り」を用途に応じて使い分けられるようになり、データの整合性が求められるシステム設計がしやすくなります。
誰に関係があるのか
- Vercel Blobを利用してアプリケーションやAIエージェントを開発しているエンジニア
- 定期レポートやセッション履歴など、更新頻度が高いデータを扱う実務担当者
- Vercel上でSaaSや業務システムを構築している中小企業のシステム担当者
仕事や業務でどう使えるのか
例えば、AIエージェントが会話履歴やメモリファイルを都度更新していくような業務システムでは、常に最新の状態を正しく参照できることが重要です。また、日次・週次で自動生成される業務レポート(JSON形式など)を別のシステムから読み込む場合にも、useCache: falseを指定することで、古いバージョンを誤って参照するリスクを防げます。通常のWebページ表示などキャッシュで十分な用途では従来通りの読み取りを使い、整合性が必要な処理だけを使い分けることで、パフォーマンスとデータの正確性を両立できます。
注意点
useCache: falseを指定した読み取りはCDNを経由しないため、通常のキャッシュ読み取りより応答時間が長くなり、「Fast Origin Transfer」という追加の転送コストが発生します。すべての読み取りにこの設定を使うのではなく、最新性が必須の場面に限定して使うことが推奨されます。また、この機能の利用には最新版のSDK(@vercel/blob@2.6.1以降)が必要です。公式情報上では、日本での提供状況や対象プランの詳細は確認できませんでした。
公式情報
詳細は公式ページをご確認ください。
Vercel Blob now supports consistent reads on private storage(Vercel Changelog)
関連キーワード
- Vercel Blob
- CDNキャッシュ
- read-after-write consistency(読み取り一貫性)
- Fast Origin Transfer
- AIエージェント開発





