概要
Vercel(バーセル)のWebパフォーマンス計測ツール「Speed Insights」が、指標の一つである「First Input Delay(FID)」を廃止することを発表しました。公式情報によると、2026年11月1日から新しいFIDの計測データの記録を停止します。ただし、この変更に伴う利用者側の作業は不要で、スコアへの影響もありません。
※Speed Insights=Vercelが提供する、実際のユーザー体験に基づいてWebサイトの表示速度や応答性を計測するツールです。
何が発表・更新されたのか
Speed Insightsが、Webサイトの応答性を測る指標「First Input Delay(FID)」を廃止(deprecate)することを明らかにしました。公式情報では、11月1日から新しいFIDの計測が停止されるとしています。
FIDはこれまで、ユーザーが最初に操作(クリックやタップなど)してから、ブラウザがその操作に反応し始めるまでの遅延時間を測る指標でした。今回の廃止により、新規のFIDデータは記録されなくなります。
一方で、Speed Insightsはすでに応答性の指標として「Interaction to Next Paint(INP)」を採用しています。INPは、FIDに代わるCore Web Vitals(コアウェブバイタル=GoogleがWeb体験の質を測るために定めた重要指標)の一つです。
なぜ重要なのか
FIDはこれまでWeb体験の「応答性」を測る代表的な指標でしたが、業界全体ですでにINPへの移行が進んでいます。今回の廃止は、その流れに沿ったものといえます。
公式情報によれば、この変更は次の3点を伴いません。
- 利用者側での対応・設定変更
- Real Experience Score(実体験スコア)への影響
- 既存のFIDデータの閲覧停止
つまり、すでに記録済みのFIDデータはこれまで通り確認でき、スコアも変わりません。影響範囲が限定的で、利用者が慌てて対応する必要はない、という点が重要なポイントです。
※Real Experience Score=Speed Insightsが、実際のユーザー訪問データをもとに算出するパフォーマンスの総合スコアです。
誰に関係があるのか
主に、Vercel上でWebサイトやアプリを運用し、Speed Insightsでパフォーマンスを計測している開発者・運用担当者に関係します。
特に、これまでFIDを応答性の指標としてレポートやダッシュボードで参照していた方は、今後はINPを中心に見ていくことになります。中小企業でVercelを使ってサイトを運用している場合でも、計測の仕組みが自動で切り替わるため、特別な準備は不要です。
仕事や業務でどう使えるのか
今回の変更を機に、応答性の評価軸をINPへ統一しておくと、今後のパフォーマンス改善がスムーズになります。
- サイトの「操作してから反応するまでの速さ」をINPで確認する
- Real Experience Scoreを定期的にチェックし、ユーザー体験の変化を把握する
- 社内レポートやKPI(重要業績評価指標)でFIDを使っていた場合は、INPへ置き換える
INPはFIDよりも、ページ全体を通じたユーザー操作への応答性をより正確に反映する指標とされています。応答性の改善施策(JavaScript処理の最適化など)の効果測定にも活用しやすくなります。
注意点
公式情報では、11月1日以降は新しいFIDの計測が停止されると明記されています。既存データは引き続き閲覧できますが、新規のFIDデータは蓄積されない点に注意してください。
FIDを前提にした自動レポートや外部連携を組んでいる場合は、INPへの切り替えを確認しておくと安心です。
なお、本記事で扱っていない料金・対象プランなどの詳細については、公式情報上では確認できませんでした。利用中のプランでの具体的な表示内容は、実際のダッシュボードや公式ドキュメントでご確認ください。
今後
Core Web Vitalsの応答性指標はすでにFIDからINPへ移行済みであり、今回のSpeed Insightsの対応もその一環です。今後、Webパフォーマンスの計測はINPを中心に進んでいくと考えられます。
利用者側では、INPを基準にしたパフォーマンス管理に移行しておくことが、今後の標準的な運用になります。
公式情報
関連キーワード
- Vercel Speed Insights
- First Input Delay(FID)
- Interaction to Next Paint(INP)
- Core Web Vitals(コアウェブバイタル)
- Real Experience Score





